米国の量的緩和策の継続と、リスクマネー

量的緩和策の継続と、リスクマネーの動きに注目の米国

一方米国では、ここ数力月で景気の持ち直しが見られて期待が高まり、QE2(量的緩和第2弾)を6月末でやめるのではないかという話が出ている。しかし、今回の量的緩和政策は、長期の景気停滞やデフレを回避するために市場にもたらされた資金が株式などリスク資産へ投資されることによって資産価値を上げることが狙いだった。

 

米国景気のもたつきは、けん引役である消費が本格回復していないことが原因だ。その背景には雇用情勢が回復していないことやバランスシートが悪化していることがある。過剰債務がある程度圧縮されないと個人消費の本格回復は見込めないが、変動性の大きい不動産、株式、投資信託を合わせた資産価値はバブル時のピークに比べて8兆円ほど少ない。

 

これに対して個人の借金は、住宅ローンと消費者信用を合わせてまだ8,000ドル少ない程度である。米消費を活性化し、本格的な景気回復のためにもバランスシートを改善して資産価値を上げたい。そのためには、楽観的に見積もっでもダウ平均で1万4,000ドル、慎重に見積もれば1万5,000から1万8,000ドルは必要だ(3月31日現在で12,319.73ドル)。6月末までに目標を達成するのは難しい。

 

カンファレンス・ボードが算出する消費者信頼感指数を見てもそれは明らかだ(図表Do過去、消費主導で景気が持ち直し、目立回復軌道に乗った段階での消費者のマインドは80ポイントを越えた辺りである。U−マン・ショック後、ようやく70ポイントまで持ち直してきた。中途半端な段階で量的緩和策をやめれば、マーケットは再び景気減速基調となる可能性がある。確実な自立回復のためにも、もう半年くらいは同規模の量的緩和政策を続ける必要かおるだろう。

 

さらに2012年は大統領選挙がある。失業率と消費者物価の上昇率を足して一般消費者の不満を示す「ミザリー・インデックス」が非常に高いが、これを下げる公約は票につながる。緩和政策は直ちにやめるべきだという声が、民主党や共和党の一部で広がるだろう。 FRB(米連邦準備理事会)にとっては逆風だが、量的緩和政策を打ち切ったとしても、景気の出口はまだまだ先だと考える。新興国への投資ブームが一段落先進国の安定を求める。